Memories of 70's Hits

1800〜2000円もするLPを買うなんてとんでもない。ラジオ(当然AM)の洋楽チャート番
組にかじりつき、吟味に吟味を重ねた末、やっと手に入れた1枚400円のシングル盤。
1枚1枚が宝石のように大切に思えたものでした。
そんな思い出のヒット曲の数々をご紹介しましょう。


ナオミの夢/ヘドバとダビデ
71年3月〜71年4月の大ヒット!
※チャート・ランキングはChifumiさんのHP「オール・ジャパン・ポップ20」で。

ナオミの夢

記念すべき第1回東京国際歌謡音楽祭(1970年)
(翌年より世界歌謡祭に衣替え)のグランプリ受賞曲です。
雪村いずみ、弘田三枝子、トワ・エ・モアといった日本勢も参加しましたが
下馬評を覆してこのイスラエルの人気デュオ、ヘドバ&ダビデ
(正確にはヘドゥヴァ・アンド・ダヴィッドらしい。)が見事グランプリに輝きました。
グランプリ受賞後、二人は東京に留まり、「ナオミの夢」の日本語
ヴァージョンを急遽レコーディング、リリースしたところこれが大当たり。
なんと100万枚を超える大ヒットとなったのでした。

僕たちの洋楽ヒット Vol.4 1970〜71 70〜71年の洋楽ヒットを集めたベスト盤。もちろん「ナオミの夢」も収録。


世界歌謡祭はこの後1989年までに20回開催され数々の名曲(迷曲)を生み出しました。

第2回(1971年)
 「ただ愛に生きるだけ」(マルティーヌ・クレマンソー)と
「出発の歌」(上条恒彦と六文銭)がグランプリを受賞。
マルティーヌの歌はまるで記憶にありませんねぇ。
「出発の歌」は上条さんのスケールの大きな歌声で大ヒット。
前年の「ナオミの夢」ほどではありませんでしたが、
50万枚を超えるセールスを記録しました。

出発の歌グランプリ  「出発の歌」はもちろん大ヒットした「木枯らし紋次郎」のテーマ曲「だれかが風の中で」を収録。

第3回(1972年)
「ハロー・リバプール」のヒットで知られるカプリコーンが唄った
「恋のフィーリング」とジャマイカ代表のアニー・スミスの
「生きることが人生さ」がグランプリ。
スー・アポリーのキュートなヴォーカルが印象的な
「恋のフィーリング」は結構好きでしたね。

第4回(1973年)
小坂明子の「あなた」がグランプリ受賞。
メロディと詞がマッチしたこの名曲は多くのファンの共感を
呼び、200万枚を売り上げるスーパー・ヒットとなりました。
この年はグランプリ2(準グランプリ)として3曲が選ばれ
その内の1曲はショーン・フィリップス!って、まさかあの放浪
のSS&Wのショーン・フィリップスなのか〜。
う〜ん、全然記憶にないよぉ。誰か知ってたら教えてくれ〜。

ベスト/小坂明子 「あなた」の世界歌謡祭ライブ・ヴァージョンも収録。
Second Contribution
 放浪のSSWショーン・フィリップス71年発表の傑作アルバム

第5回(1974年)
 エレン・ニコライセンの「夢みる心地」と
浜田良美の「いつのまにか君は」がグランプリ。
どちらも印象が薄いっていうか記憶にありません。

第6回(1975年)
ミスター・ロコ(って誰?)の「ラッキー・マン」、
中島みゆきの「時代」がグランプリ受賞。
今や大御所ともいえるみゆき姐さんですが、50歳を
超えた今でもあの「しゃべり」が健在なのはすごすぎるぞっ!
因幡晃の「わかってください」は入賞がやっとでしたが結構ヒットしましたよね。

私の声が聞こえますか 「時代」を収録した記念すべきファースト・アルバム
ベスト/因幡晃 「わかってください」収録

第7回(1976年)
フランコ&レジーナ(あんたら誰?)「せつなく甘く」と
なんとあのサンディー姐さんの「グッドバイ・モーニング」が見事グランプリを獲得。
う〜ん、これは全然記憶にないっす。見たかったな〜。
しかも、この年はスプリンター、ジグソーが参加してます。
ブリティッシュ・ポップ・ファンにはたまりませんよね。
ヤマハさん、再放送してくれ〜。

サンディ姐さんのハワイ・シリーズは絶対のお薦め。ハワイアン・ファンならずとも必聴です。
サンディーズ・ハワイ サンディーズ・ハワイ・セカンド サンティーズ・ハワイ・サード

第8回(1977年)
世良 公則&ツイスト「あんたのバラード」と
ラッグス「燃える想い」がグランプリ獲得。
ツイストはこれをきっかけにブレイクし、その後も
「宿無し」「銃爪」「燃えろいい女」などが大ヒットしますが、
わずか4年間の活動後、81年に解散しました。

ベスト/世良公則&ツイスト  「あんたのバラード」他ヒット曲満載のベスト。

第9回(1978年)
ティナ・チャールズの「ラブ・ロック」と円広志の「夢想花」が
グランプリを獲得しました。
ティナはヨーロッパやニューヨークのディスコ・シーンで活躍していた実力派。
「夢想花」は曲の良さと”とんでとんで…”のフレーズが
大受けし、80万枚を超える大ヒットとなりました。
この年は他にアストラッド.ジルベルトやオリジナル・キャスト
が参加しており、なかなか充実していたようです。

Belle~カネボウ・ヒット・ソングス カネボウ化粧品のCM曲集。ティナの「Oh!クッキーフェイス」収録
ベスト/円広志 「夢想花」を含むベスト盤。

第10回(1979年)
シシー・ヒューストン、マリア・クレウザといった実力派
シンガーが参加していますが、グランプリを受賞したのは
ボニー・タイラーの「哀しみのオーシャン」と
クリキンことクリスタル・キングの「大都会」でした。
ボニーは独特のハスキー・ヴォイスで”女ロッド”と呼ばれた実力派ロック・シンガー。
前年にリリースしたヒット曲「愛は哀しくて」は名曲です。
クリキンの「大都会」は150万枚を売り上げ、一世を風靡しました。

グレイティスト・ヒッツ/ボニー・ターラー 「愛は哀しくて」を収録したベスト
ベストコレクション/クリスタル・キング 「大都会」収録

第11回(1980年)
この年はクリストファー・クロス、ルパート・ホルムズ、ダン・ヒル
といったAOR系アーティストの有名どころが参加しましたが、
メアリー・マッグレガーの「風に消えた恋」と伊丹哲也&Side by Side
の「街が泣いてた」がグランプリに。
メアリーはPPMのピーター・ヤーローのプロデュースでデビューした、
フォーク系シンガー。その爽やかなな歌声は管理人も大好き!
アルバム「TORN BETWEEN TWO LOVERS」「INYOUREYES」はいまだに
ターンテーブルによく乗る愛聴盤です。(CDが発売されてないんです。残念っ!)
「街が泣いてた」は当時結構イケテル曲だと思ったんですが
セールス的には今ひとつだったようです。

ポプコン・スーパー・セレクション バンド・コンピレーション 「街が泣いてた」も収録した企画盤

第12回(1981年)
有名どころでは、80年代AORシーンで活躍した、ジム・フォトグロや
ペドロ&カプリシャスがカバーした「別れの朝」の作者ウド・ユルゲンスが参加。
グランプリはオズヴァルド・ロドリゲスの「希望への道」とアラジンの
「完全無欠のロックンローラー」に輝きました。
オズヴァルド・ロドリゲスは全然記憶にないですね。
「完全無欠の〜」は30万枚を売り上げ、まずまずのヒットを記録
しますが、こんなコミック・ソングをグランプリにしちゃうなんて
ヤマハさんも結構勇気ありますよね。

ALADDIN VS アラジン 「完全無欠のロックンローラー」収録

第13回(1982年)
今や世界の歌姫となった、若き日のセリーヌ・ディオン(当時24歳)、
あのバカラックの名曲「雨にぬれても」を唄った、B.J.トーマスが参加。
グランプリは明日香の「花ぬすびと」とアン・ベルトゥチの
「孤独の扉」が受賞しましたが、どちらも印象のうすい曲ですね。
このあたりから、この音楽祭から生まれるヒット曲は少なくなっていきました。

グレイテスト・ヒッツ/B.J.トーマス 「雨にぬれても」

第14回(1983年)
「サンタ・マリヤ」や「ドン・キホーテ」のディスコ・ヒットで知られる、
ニュートン・ファミリーの「愛のゆくえ」と磨香(誰じゃ?)の「冬の華」が
グランプリを受賞。グランプリ受賞曲はますます小粒になってきました。
他の参加者はと見渡すとなんとビックリ!あのイタリアの国民的
ロック・バンド、イ・プーが参加してるじゃありませんか。
さぞや、イタリアン・ロック・ファンは狂喜したことでしょう。

ミラノの映像 イ・プーの4thアルバム。本国イタリアでは1年近くチャートインした超ベストセラー

第15回(1984年)
グランプリ曲はフランス・ジョリの「パーティー・ライツ」と
TOM★CATの「ふられ気分でRock'n' Roll」。
「ふられ気分で〜」は35万枚のセールスを記録しこの音楽祭が
生んだ最後のヒット曲となりました。
この年の目立った参加者は、サンレモ音楽祭の常連、マティア・バザールと
82年に「愛はかげろうのように」を大ヒットさせたシャーリーンといったところでしょうか。
「愛は〜」てっきりメアリー・マッグレガーの「幸福はかげろうのように」の
カバーだとばかり思っていたのですが、録音自体は
シャーリーンの方が2年ほど早かったようです。
管理人的にはメアリーのヴァージョンの方が好きかなぁ。

ベスト/TOM★CAT 「ふられ気分でRock'n' Roll」収録
愛はかげろうのように メアリーのCDは発売されていませんのでシャーリーンのヴァージョンでどうぞ。

第16回(1985年)
尾崎和行 &コースタルシティの「・・・洋子」と
ヴァレリア・リンチの「恋のパズル」がグランプリ受賞。
う〜ん。どっちも覚えてないなぁ。
目立った参加者もなく(ラトーヤ・ジャクソンが予選で落選してますけど(笑))
淋しい音楽祭だったようですね。

第17回(1986年)
小野健児「明日行きの列車」と
ステイシー・ラティソウ「ロングショット」がグランプリ。
う〜ん…(汗)

第18回(1987年)
デぺッシュ・モード、ヤズーのメンバーだったヴィンス・クラークが
85年に立ち上げたプロジェクト、イレイジャー、
ノルウェー出身のバンドでUKチャートにもランクインした
フラ・リッポ・リッピが目立った参加者ですね。
スード・エコーの「テイク・オン・ザ・ワールド」と
武内千佳の「ノー・ノー・ノー」がグランプリを受賞。
どっちも記憶の片隅にもありません。(涙)
ナイトバード イレイジャーが結成20周年を迎えて発表した第11作目の作品。

第19回(1988年)
中止。
昭和天皇の容態を気づかい、日本歌謡大賞をはじめ
多くの歌謡祭が中止となりました。


第20回(1989年)
20周年を記念しチャリティー・フェスティバルとして開催されました。
上条恒彦、B.J.トーマス、ボニー・タイラーといった歴代参加者や
スティービー・ワンダーが特別ゲストとして出演。
この年を最後に、世界歌謡祭は栄光(?)の歴史に幕を閉じることとなりました。